この記事はこんな人におすすめ
- 情報の根拠(エビデンス)が知りたい
- 簡単な”ファクトチェック”方法を知りたい
- WebPilotとGPT-4のWeb Browsingの違いを知りたい
医師も「ChatGPT」を当たり前に使う時代が来て、ChatGPTの注意点も知る必要があります。ChatGPTの注意点は”嘘”の情報が含まれていることがあります。
ChatGPTの回答の正確性を確認しないと間違った情報を発信してしまう可能性も。
ChatGPTで得た情報の”ファクトチェック”(情報の真偽を確認する)が必要です。情報元のURLが提示されれば情報元を知ることができ、ファクトチェックが可能になります。
ファクトチェックの方法を2つ提示し、それぞれの使用感を紹介します。
WebPilot(ChatGPTのGPTs)
- 専門性の高い回答
- 提示されるURLは1つ
GPT-4のWeb Browsing機能
- 一般向けの回答
- 提示されるURLは複数
私の結論は
専門性の高い回答が欲しいときは「WebPilot」→医師・医療者向け
一般的な知識として知りたい場合は「GPT-4のWeb Browsing」→一般向け
この記事では医師がChatGPTを使う時に必要なファクトチェックのやり方、「WebPilot」「GPT-4のWeb Browsing」の使い方が分かります。
ファクトチェックのやり方を覚えて、ChatGPTを使いこなしましょう!
≫医師がChatGPT(チャットGPT)を安全に使うための注意点を徹底解説
ファクトチェックとは情報の正確性を確認すること
ファクトチェック
ファクトチェックとはChatGPTから得られた情報の正確性を確認することです。
ChatGPTはインターネット上の膨大な情報から学習します。学習元の情報が間違っている場合でも正しい情報のように回答する可能性があります。
情報の正確性を担保するためのチェック(ファクトチェック)が重要になります。ファクトチェックを自分で行うと多くの時間と労力が必要になります。そこで、「ファクトチェック」もChatGPTに任せます!
AIにファクトチェックを任せる(動画)
YouTubeでAIについて最大級の情報を提供している「ウェブ職TV」でファクトチェックについて動画で説明してくれています。
結論!フェクトチェックもAIにやってもらう。
動画の内容はWebライター、ブログ向けの記事をAIで作るためのファクトチェックですが、医師・医療者が使えるファクトチェックと同じです!
ツール「WebPilot」「GPT-4のWeb Browsing」
ファクトチェックに有用なツールとして「WebPilot」と「GPT-4のWeb Browsing」を紹介します。
「WebPilot」と「GPT-4のWeb Browsing」の比較
WebPilot | GPT-4 | |
回答の特徴 | 専門性の高い | 一般向け |
提示されるURL | 1つ | 複数 |
おすすめ | 医療関係者 | 一般 |
「WebPilot」は専門性の高い回答
ChatGPTからの回答は特別に指示しない限り、情報元URLは提示されません。「WebPilot」はChatGPTのGPTsで回答の情報元URLを提示させることができます。
「WebPilot」を使用すると、回答に関連するURLが提示されるため、情報元を簡単に知ることができます。
「WebPilot」を使用した回答例
「WebPilot」に「尿管結石の原因は?」と質問したときの回答
尿管結石(腎臓結石とも呼ばれます)の原因に関して、Mayo Clinicの記事から引用すると、尿管結石は、ミネラルと塩分が腎臓内で固まり形成される硬い沈着物です。結石の原因として挙げられるのは、食生活、過剰な体重、ある種の医療状態、および特定のサプリメントや薬剤の使用などがあります。尿管結石は、尿が濃縮され、ミネラルが結晶化して一緒にくっつくことで形成されることが多いです。
尿中に、カルシウム、オキサレート、尿酸などの結晶を形成する物質が、尿が薄められるよりも多く含まれる場合、または、結晶が一緒にくっつくのを防ぐ物質が尿中に不足している場合に、腎臓結石が形成される環境が整います。
結石の種類には次のものがあります:
- カルシウム結石:最も一般的な結石で、通常はカルシウムオキサレートの形です。
- ストルバイト結石:尿路感染症への反応で形成されます。
- 尿酸結石:慢性的な下痢や吸収不良で液体を多く失った人、高タンパク食を摂取する人、糖尿病や代謝症候群のある人に形成されることがあります。
- シスチン結石:シスチン尿症という遺伝性障害のある人に形成されます。
リスク要因としては、家族や個人の歴史、脱水状態、特定の食事スタイル(高タンパク質、高ナトリウム、高糖質)、肥満、消化系の疾患や手術、その他の医学的条件などが含まれます。
この情報は、尿管結石に関する原因、リスク要因、および結石の種類に関する総合的な概要を提供します。より詳細な情報や治療については、専門の医療提供者に相談することをお勧めします。
引用元は1つで、論文メイヨークリニックのサイトを引用しての回答となりました。内容は泌尿器科専門医の私が見ても専門性が高い内容です。
また、言葉も医学用語が使われており、医療関係者向けの情報といえます。専門性の高い回答が欲しいときは「WebPilot」がおすすめです。
同様に「高血圧の原因は?」と質問
高血圧(Hypertension)に関するWorld Health Organization (WHO)のファクトシートによると、高血圧は血管内の圧力が140/90 mmHgまたはそれ以上に高い状態を指します。高血圧は一般的ですが、適切な治療を受けない場合は深刻な問題を引き起こす可能性があります。
高血圧のリスクを増加させる要因には以下が含まれます:
高齢
遺伝
過体重または肥満
運動不足
高塩分食
アルコールの過剰摂取
高血圧のリスク要因・・・・(以下、省略)
引用元は1つで、WHOからの引用であり、高血圧の定義など、専門性が高い内容の回答となっていました。
「GPT-4のWeb Browsing」は一般的な知識を回答
GPT‐4はWeb Browsingが追加され、WebページのURL提示や要約が可能になりました。
この機能が追加される前はWebページのURL提示や要約には「WebPilot」が必須でしたが、GPT‐4にWeb Browsingが追加されてどっちを使う方が良いのか迷う方も増えました。
GPT‐4にWeb Browsingも「WebPilot」と同様に回答に関連するURLを提示されることができ、情報元を簡単に知ることができます。
「WebPilot」の違いは「WebPilot」よりも一般的な知識の回答が多いです。
「GPT-4のWeb Browsing」に「尿管結石の原因は?」と質問したときの回答
尿管結石の原因は複数あり、主に以下のように分類されます:
生活習慣や環境要因:不適切な水分摂取や高温環境での活動などが、尿中の結晶が形成されやすくなる要因となります。また、特定の薬剤の使用が関連している場合もあります (Soujinkai)。
結石の大きさによる治療の違い:結石が小さい場合(4~5mm以下)、自然に排出されることが期待され、生活指導が行われます。大きい結石(10mm以上)では、自然に排出されにくく、積極的な治療が必要となることがあります (メディカルノート)。
結石の形成過程:尿中のシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、尿酸などが飽和状態になり、結晶が析出し結石が形成されます。結晶核が形成されると、さらに成長し結石が大きくなります (東京女子医科大学)。
尿管結石は、生活習慣の改善や適切な治療により管理が可能ですが、一度結石を経験すると再発する可能性が高いため、予防が非常に重要です。特に水分を十分に摂取すること、食生活の見直し(シュウ酸を多く含む食品やプリン体を多く含む食品の摂取を控える)、適度な運動を心がけることが推奨されます。
詳細な情報については、東京女子医科大学病院の泌尿器科 (東京女子医科大学)、メディカルノート (メディカルノート)、ひまわり医院の解説ページ (Soujinkai)などを参照してください。
引用元は3つで、内容は比較的一般向けの内容です。引用元が日本国内のサイトから引用されており、医学用語も少なく、一般向けで読みやすい内容となっています。
同様に「高血圧の原因は?」と質問
高血圧の原因は主に二つに分けられます。一つは生活習慣が関係する「本態性高血圧」で、高血圧症の大多数を占めます。主な原因として、塩分の過剰な摂取、肥満、運動不足、過剰なアルコール摂取、精神的ストレス、野菜や果物の不足、喫煙などが挙げられます。もう一つは特定の病気が原因となる「二次性高血圧」で、腎動脈狭窄症や原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などが該当します。このタイプは治療により高血圧が改善されることがあります (National Center for Victims of Crime)。
また、高血圧を防ぐためには、食塩摂取の制限、野菜や果物、大豆製品を豊富に含むバランスの良い食事、適度な運動、適正体重の維持、禁煙などが推奨されます。特に日本人は塩分摂取量が多いため、食生活の見直しによる減塩が非常に重要です (E-HealthNet)。
高血圧についてのより詳細な情報は、以下のURLからご覧いただけます。
国立循環器病研究センター: www.ncvc.go.jp
e-ヘルスネット(厚生労働省): www.e-healthnet.mhlw.go.jp
引用元は2つで、引用元が日本国内のサイトから引用されていました。一般向けの厚生労働省のサイトからの引用もあり、一般向けでした。
質問の答えに対して情報元のURLが提示されます。URLをクリックすれば情報元へアクセスでき、簡単に”ファクトチェック”ができます。
まとめ
ChatGPTからの回答は間違った情報の可能性があるため、“ファクトチェック”(情報の真偽を確認する)が必要です。
この記事ではファクトチェックの方法を2つ提示し、それぞれの使用感を紹介しました。
WebPilot(ChatGPTのGPTs)
- 専門性の高い回答
- 提示されるURLは1つ
GPT-4のWeb Browsing
- 一般向けの回答
- 提示されるURLは複数
私の結論は
医師・医療者向け「WebPilot」
一般向け「GPT-4のWeb Browsing」
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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